「KK線廃止」後の未来予測! 東京を変える新ルートと再開発のシナリオとは?

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2025年4月、無料区間として親しまれたKK線が廃止される。都市再開発や日本橋地下化への動きが加速する一方、3200億円超の事業費や渋滞悪化の懸念も。未来志向の都市づくり、その光と影とは。

渋滞緩和に貢献

数寄屋橋交差点から見る東京高速道路(画像:写真AC)
数寄屋橋交差点から見る東京高速道路(画像:写真AC)

 首都高速道路は複数の路線が複雑に絡み合いながら、東京の交通網を支える重要なインフラだ。そのなかでも、東京高速道路(KK線)は、京橋ジャンクション(JCT)から汐留JCTまでの約2kmを結ぶ短い路線で、首都高都心環状線とも接続している。

 総距離は短いものの、神田橋JCTから西銀座JCTを結ぶ八重洲線と合わせて交通量が多く、渋滞の激しい区間として知られている。特に、都心環状線の迂回ルートとして多くのドライバーに利用されてきた。仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)にとっても、この路線は思い入れのある存在だ。

 KK線のもうひとつの特徴は、通行料が無料である点だ。この背景には、東京都から土地を借り、その下に銀座ファイブや銀座インズ、銀座コリドー街といったテナントビルが建ち、これらの施設が建設費や維持費を負担している仕組みがある。

 しかし、このKK線は2025年4月に廃止されることが決まった。理由は、

・日本橋周辺の都市再開発
・首都高の老朽化

にともなう新ルート設置だ。鉄道では採算の合わない路線が廃止されるケースは珍しくないが、高速道路で既存路線が廃止されるのは非常にまれだ。

 KK線廃止にはさまざまな意見がある。廃止を惜しむ声も多いが、都市再開発や都心部の道路網再編という観点からは前向きな期待も寄せられている。ただし、懸念されるのは事業費の増大だ。例えば、日本橋周辺の地下化には2018年時点で約3200億円の費用が見込まれていたが、予算を大幅に上回る可能性が指摘されている。

 こうした課題を踏まえつつ、KK線廃止による都市再開発や新ルートの必要性をさまざまな角度から検証し、今後の展望を考えることが求められる。本稿では、その具体的な課題と可能性について掘り下げていきたい。

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