欧州を震撼させる「中国発通販サイト」 ドイツではすでに約130万人利用も、ECサイトは“関税のがれ”にすぎないのか?

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中国発の急成長ECサイト「Temu」が欧州に進出し、ドイツではサービス開始からわずか半年で130万人が利用するようになり、EU全体でも月間7500万人のユーザーを抱えるまでに広がっている。この快進撃の一方で、「関税逃れ」や「ダークパターン」など、150ユーロ以下の非関税ルールを利用した手法に対する批判が集まり、現地の商工業者との対立も深まっている。この状況を受けて、EUでは150ユーロ以下の非関税ルール撤廃を含む新しい規制が検討されているが、増え続ける輸送量への対応が難しい中、国際的な新ルールの必要性も指摘されている。

150ユーロ以下の非関税ルールの撤廃も視野に

越境ECのイメージ(画像:Pexels)
越境ECのイメージ(画像:Pexels)

 過少申告も分割もやり放題の現状では、EU各国や地元企業が関税を回避した不当廉売が公正な競争を妨げていると主張するのは無理もない。

 ドイツでは、けん制目的として大ホールに輸入小包を集め、大量に学生アルバイトを投入して定期的に全数チェックをすべきだと主張する意見もあるくらいだ。

 なおEUの規制当局は、輸入小包の過少申告や分割問題を受け、2028年までに150ユーロ以下の非関税ルール撤廃を検討し決定を下すとしている。

 また、EUでは関税だけでなく

「輸入売上税」

の問題もある。EUに商品を輸入する場合、関税のほか輸入売上税(150ユーロ以下の商品にも適用)を支払わなければならない。海外の事業者の場合、EU域内のどこかの国に登録して輸入売上税を支払うこととなる。

 例えば、TemuやShein(中国発のファッション通販サイト)はアイルランドに登録しており、アイルランドに支払われた輸入売上税が各国に配分されている。ただ、この配分される金額が実態にあっていないとドイツは批判している。これは、輸入小包データのプラットホームの未整備に起因しており、EUならではの問題といえなくもない。

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