低賃金と過重労働! 全く報われない「バスドライバー」を復活させる、たった2つの画期的方法とは?
路線バス業界の「2024年問題」で深刻化しているドライバー不足に対して、投げ銭や利用者評価をボーナスに反映させる新しい制度を提案する。この制度により、ドライバーの士気向上とサービスの質改善が期待でき、地域の移動手段を守るための有効な方法となる可能性がある。
評価が生む新たな信頼の輪

ふたつ目のアイデアは、「利用者の評価をボーナスに反映する仕組み」だ。これは、利用者からのフィードバックを集め、ドライバーのサービス評価に反映させ、その評価をボーナスに結びつけるものだ。
例えば筆者のような大学教員は、講義の内容について学部生・大学院生から定期的に評価を受けている。評価が高い教員は
「ベストレクチャー賞」
として表彰され、次のボーナスが増額される大学も多い。この方法を路線バスにも応用し、ドライバーのサービスを利用者が評価できるシステムを取り入れるのだ。
最近はDXの進展で、車内のQRコードから評価を送信できるようになっている。利用者がスマホでドライバーを評価し、それをボーナスに反映させる仕組みを作るイメージだ。ただし、低評価があった場合にはドライバーの側にも
「事情」
があるはずなので、高評価の人にだけプラスのインセンティブが与えられる仕組みが望ましい。評価システムは、時間通りの運行といった単一の基準だけでなく、次のような多面的な視点でも評価する必要がある。
・接客態度
・安全運転
・清潔感
こうすることで、ドライバーも幅広い視野で業務に取り組むようになる。複数のインセンティブがあれば、さまざまなサービスの質向上に士気が高まるし、利用者も
「真剣にバスのことを考えるきっかけ」
になるだろう。ドライバーと利用者がともによりよいサービスを作っていく促進にもなる。もちろん、導入にはメリットだけでなく懸念点もある。評価基準が曖昧だと不公平に感じられることもあるし、利用者からの
「意図的な低評価」
のリスクもある。ドライバー側の意見も尊重しながら、このシステムを育てていくことが大切だ。