低賃金と過重労働! 全く報われない「バスドライバー」を復活させる、たった2つの画期的方法とは?
路線バス業界の「2024年問題」で深刻化しているドライバー不足に対して、投げ銭や利用者評価をボーナスに反映させる新しい制度を提案する。この制度により、ドライバーの士気向上とサービスの質改善が期待でき、地域の移動手段を守るための有効な方法となる可能性がある。
利用者の声で変わる未来

ここまで紹介したふたつの方法の社会的意義は、
「単にドライバーの収入を増やす」
ことだけではない。前述のとおり、サービス提供者と利用者が一緒に路線バスを考えるきっかけになる点が大きい。利用者が積極的に参加することで、
「自分も路線バスの維持や発展に関わっている」
という意識が育つのが、このアイデアの狙いだ。
以前、筆者の記事に対するコメントを読むなかで、
「収入を増やさないとドライバーが続かないのではないか」
という声が、利用者やドライバーの両方から多く寄せられていた。バス業界を研究する者として、給与を上げる難しさも伝えてきたが、やはり収入増加を望む声は根強い。だからこそ、今回のような投げ銭や利用者評価制度の導入は、利用者と協力して進められる点でよりよい方法だと考えている。
利用者が積極的に参加できる仕組みがあれば、ドライバーの士気も自然と高まり、路線バス全体の活性化が期待できる。こうした仕組みの導入により、サービスの質や業界の健全な成長にもつながるだろう。
地域の足を守るためには、まずドライバーが安定して働ける環境を整えることが基本だ。この重要性を考慮しつつ、新しい仕組みを導入できることを望んでいる。