路線バスの急ブレーキで利用者が転倒! 「移動しないで」と言ったのに、ドライバーに責任を押し付けるのは妥当なのか?

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2021年に発生した路線バス事故は、全体で4320件のうち2222件を占めており、安全対策の重要性が高まっている。急ブレーキの原因は、利用者の行動や交通環境に起因しており、ドライバーに対する過剰な責任が問題になっている。ドライバーのスキル向上と地域の協力が必要であり、2030年に向けて効果的な教育プログラムの導入が急務だ。

外的要因の影響

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 急ブレーキを踏まなければならない状況には、都市や地域計画、道路環境の影響が大きい。例えば、

・狭い道路や舗装が荒れた状態
・交通量の多さ
・他の車の危険な運転
・天候の影響

などが原因で、ドライバーは急ブレーキを踏まざるを得ないことが多い。小学校では長年にわたり交通安全教育が行われているが、その効果が十分に表れておらず、小学生が車道に急に飛び出すケースが多発している。

 運転しやすく安全な環境を作るためには、都市や地域計画の見直しが不可欠だ。また、一般路線バスが快適に走れる環境を整備することも重要な政策課題となっている。

 さらに、路線バスの

「地域交通における重要性」

を再認識し、2024年問題などによってドライバーの確保が難しくなるなか、離職を防ぎ新たな就職者を増やすためには、路線バスの安全面での協力的な姿勢を周知し、啓発することが求められている。

事例の紹介

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 2015年、小田原駅のバスロータリーで悲惨な死亡事故が発生した。高齢の女性が横断禁止の場所を渡り、停留所を出発したばかりの路線バスにひかれてしまった。

 このバスロータリーは、駅から停留所に向かうために地下街やペデストリアンデッキを利用しなければならない設計となっている。そのため、急いでいる人が横断するケースが多くなり、問題視されている。こうした状況では、急ブレーキが間に合わないこともあるが、それでも横断禁止の場所を渡った人が悪いと理解していても、ドライバーが警察に逮捕されることがある。

 また、2024年9月には北海道函館市で路線バスと乗用車が正面衝突する事故が起きた。この事故では、乗用車を運転していた22歳の女性から基準値の5倍のアルコールが検出された。彼女の車が反対車線にはみ出し、路線バスと衝突したとされている。

 アルコールを摂取して運転することは明らかに危険であり、問題がある。このように、路線バスはさまざまな要因で不必要に影響を受ける事故が多く発生している。

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