路線バスの急ブレーキで利用者が転倒! 「移動しないで」と言ったのに、ドライバーに責任を押し付けるのは妥当なのか?

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2021年に発生した路線バス事故は、全体で4320件のうち2222件を占めており、安全対策の重要性が高まっている。急ブレーキの原因は、利用者の行動や交通環境に起因しており、ドライバーに対する過剰な責任が問題になっている。ドライバーのスキル向上と地域の協力が必要であり、2030年に向けて効果的な教育プログラムの導入が急務だ。

ドライバーの役割と責任

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 ドライバーには、四つの重要な資質が求められる。それは、

・安全意識の高さ
・柔軟な対応力
・忍耐力
・コミュニケーション能力(接客能力)

だ。これらはすべて、安全で快適な運転を実現するために欠かせないものだ。

 まず、安全意識の高さは何よりも重要だ。交通ルールを守るのはもちろん、乗客が安心して乗り降りできるように常に気を配り、運転中も周囲の状況をしっかりと把握する力が求められる。万が一の緊急時にも冷静に対応できる判断力も必要だ。

 次に、柔軟な対応力が必要になる。渋滞や工事、さらに乗客からのクレーム対応など、さまざまな場面で迅速に対応しなければならず、この柔軟性が安全運行を支える要素になる。

 また、忍耐力も重要だ。業務中には、長時間の運転やイレギュラーな事態への対応が避けられず、精神的な忍耐が求められる。そして、利用者に座席移動や停車前の降車準備を控えるよう促したり、困っている乗客に優しく対応したりするためのコミュニケーション能力も欠かせない。

 こうした能力をすべて備えなければならないため、ドライバーの仕事は非常に高いスキルが要求される。仕事上のストレスがたまりやすい職業でもあり、周囲の理解とサポートが非常に重要だといえる。

運行管理の視点

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 路線バスの運転には、営業所に運行管理者が存在する。運行管理者は、定時運行の実現や安全を確保するために、ドライバーの

・勤務状況
・健康状態
・道路環境
・関連する法律

などを総合的に把握し、運行を管理する役割を担っている。この運行管理者は国家資格で、年に2回受験することができ、合格すれば運行管理者として就職できる。

 運行管理者は、各ドライバーの運転技術や安全意識にも配慮しており、安全確保が最優先の管理目標となる。急ブレーキはなるべく避けたいが、不可避な場合もある。路線バスの車内放送では

「やむを得ず急ブレーキを使うことがあるので、お立ちの際はつり革や保護棒におつかまりください」

と案内されることもあり、これは運行管理者の意向を反映している。

 最近では、安全運転のための研修やトレーニングに力を入れる路線バス事業者が増えており、安全運転訓練車を導入する企業も増加している。これらの取り組みは、安全な運転技術の習得とスキル向上を目指している。運行管理者は、できるだけ急ブレーキを使わず、安全で余裕のある運転を実現するために努力している。

 このように、路線バスの運行管理者は運転の安全性を高めるために重要な役割を果たしており、ドライバーとともにより安全な運行を目指している。

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