帆船はただの移動手段ではない! クアウテモック「横須賀港入港」が示す、国際交流の重要性とは

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2024年7月、メキシコ海軍の練習帆船「クアウテモック」が横須賀港に入港した。この美しい船は全長90.5m、総トン数1800tもあり、若者の協働や国際交流を育む教育の場として重要な役割を果たしている。また、2024年は日本とメキシコの友好関係樹立415年を記念する年であり、他国の帆船も日本を訪れている。このことから、歴史的背景を持つ帆船の意義が改めて再確認されている。

日本丸と海王丸 海員育成の40年

ハンブルグのブローム・ウント・フォス社のエンブレム。ドイツ海軍の誇った巨大戦艦ビスマルクを建造したことでも知られる(画像:広岡祐)
ハンブルグのブローム・ウント・フォス社のエンブレム。ドイツ海軍の誇った巨大戦艦ビスマルクを建造したことでも知られる(画像:広岡祐)

 2024年7月25日、帆船日本丸が宮古港に寄港、歓迎の放水を受けてゆっくりと入港する姿に、出迎えた人々から歓声が上がった。乗組員は44人、実習生は清水海上技術短期大学校の学生86人。拍手に迎えられて下船する若者たちのキビキビとした姿、姿勢のよさが頼もしい。

 日本丸は全長110m、2570t。海技教育機構が所有する4本マストのバーク型帆船である。海技教育機構(JMETS)は戦前の逓信省付属の海員養成所をルーツにもち、戦後は海員学校、航海訓練所と変遷を経て、独立行政法人となった。わが国の重要な海員養成機関として5隻の練習船を運用しているが、そのうち日本丸、海王丸が帆船だ。

 日本丸・海王丸の名をもつ練習帆船としては2代目で、先代は戦前の1930年代の建造。就航から半世紀を過ぎて老朽化が進み、1980年代に入って代替船の建造が計画されたが、予算の獲得には困難がともなった。

「原子力船が計画される時代に帆船の練習船は意味がない」

という声さえあったという。僚船・海王丸は建造を求める100万人を超える署名が集まり、民間の寄付活動によって完成している。

 1984(昭和59)年2月、神奈川県の浦賀で皇太子殿下(現上皇陛下)臨席のもと、美智子妃殿下の支鋼切断によって日本丸の進水式が行われた。先代は船体の設計や帆装の備品がイギリス製だったのに対し、現在の日本丸、海王丸は純国産。船首像はどちらも宮古市の八木澤神社境内のケヤキから彫り上げたものだという。

 就航から40年を経た現在も、海をめざす若者たちを育成する役目をはたしている2隻の帆船。コロナ禍によって国外への航海は控えていたが、2024年1月には遠洋航海も再開、4年ぶりに外地シンガポールへの航海を行っている。

 訓練中の日本丸、海王丸の寄港スケジュールは、海技教育機構のウェブサイトで確認することができる。最寄りの港に立ち寄ることがあれば、日本の誇る大型帆船の美しい姿を間近で味わい、次世代の船員たちのたくましい姿もあわせて目にしてほしい。

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