関越道に引かれた「緑色ライン」の正体 渋滞緩和の秘密兵器か、それとも新たな事故の原因か?

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ETCの普及により、高速道路の渋滞は減少している。対策次第で渋滞を緩和することは可能だ。さて、NEXCO東日本が導入した“緑色のライン”をご存じだろうか。

渋滞の発生場所とメカニズム

車線キープグリーンライン(画像:NEXCO東日本)
車線キープグリーンライン(画像:NEXCO東日本)

 高速道路はサービスエリアを含めてよく整備されており、長距離の移動も快適で楽しい。しかし、渋滞にはいつも悩まされる。インターチェンジ(IC)以外では乗り降りができないため、一度巻き込まれると忍耐の時間が続く。

 NEXCO東日本によると、2022年の管内での渋滞の73%は交通集中によるものだという。最も渋滞するエリアは上り坂と“サグ部”、つまり下り坂が上り坂に変わるエリアで、渋滞の59%を占めた。2番目はIC(17%)、3番目は接続道路(12%)である。

 渋滞の発生場所は渋滞のメカニズムと一致している。上り坂や合流がスムーズな走行を妨げるのだ。具体的には、上り坂で減速したり、他の車と合流したりすると、後続車がブレーキを踏んで減速し、また後続車が減速するというように、減速が連鎖する。その結果が渋滞である。

 これまで、交通集中による渋滞の最たるものは料金所だった。しかし、自動料金収受システム(ETC)の普及により、渋滞はほとんどなくなった。このように、渋滞対策によって渋滞を解消することは可能である。そこで、NEXCO東日本が投入したのが、“緑色のライン”だ。

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