帆船はただの移動手段ではない! クアウテモック「横須賀港入港」が示す、国際交流の重要性とは
2024年7月、メキシコ海軍の練習帆船「クアウテモック」が横須賀港に入港した。この美しい船は全長90.5m、総トン数1800tもあり、若者の協働や国際交流を育む教育の場として重要な役割を果たしている。また、2024年は日本とメキシコの友好関係樹立415年を記念する年であり、他国の帆船も日本を訪れている。このことから、歴史的背景を持つ帆船の意義が改めて再確認されている。
帆船とイベント

世界の帆船が集結するイベントを帆船祭(オペレーション・セイル)と呼んでいる。海運の第一線を去った帆船を追想するパレードとして、1964(昭和39)年7月に米国のニューヨークで開催されたのがスタートとされる。ニューヨーク湾口からハドソン川の河口まで、11か国二十数隻の帆船が帆を広げ、多くの観客を楽しませたという。帆船祭の規模は年々拡大してゆき、1976年の米国建国200年祭では、250隻を超える大小の船舶が集結、史上最大のスケールとなった。
アジアで初めての本格的な帆船祭として注目を集めたのが、1983年秋に開催された「大阪世界帆船まつり」だった。大阪城築城400年記念まつりの海上イベントとして実現したもので、日本から参加の日本丸・海王丸(それぞれ先代)を含め、世界各国から10隻の大型帆船が参加。洋上パレードは500隻を超えるヨットが随伴する華やかなものになった。
大会期間中は各船の公開のほか、船員の歓迎パレードや体験航海などさまざまな国際交流が行われ、数十万人の来訪者でにぎわった。今回紹介したクアウテモックはデビュー間もない新造船として参加、サグレスも遠路ポルトガルから来日している。
この大イベントをきっかけに、大阪市によって帆船「あこがれ」を建造されたことにも注目したい。全長52m、総t数362t、3本マストのスクーナーで、1993年に完成している。
地方公共団体が独自に運用するという極めて珍しい帆船だった。大阪南港を拠点に、約20年にわたり青少年のセイルトレーニングをはじめとする体験航海事業にあたっていたが、残念ながら大阪市の市政改革方針で事業は終了となった。船は売却されたが、「みらいへ」と改名され、その後も民間の体験航海船として活用されている。