トヨタが「米ディーラー」から圧倒的支持を集める根本理由 信頼度72%で業界平均の「3.6倍」の現実とは
トヨタが米国で人気の理由は、燃費や信頼性の高さだけではなく、ディーラーからの厚い信頼と利益も大きい。全体の9%のディーラーで、業界全体の粗利益の29%を稼ぎ出していて、在庫も30日以下と非常に少ない。さらに、インセンティブ支出は業界平均の半分に抑えている。サイバー攻撃の脅威にも、トヨタ独自のシステムでしっかり対応している。このようにして、トヨタは米国市場で揺るぎない地位を築いている。
業界人も認めるうまみ

トヨタが米国でも非常に人気のあることは広く知られていることだろう。2023年に行われた調査会社J.D.パワーによる自動車ブランドロイヤルティー調査では、トヨタが量販車部門で2年連続の1位を獲得している。
この調査は、車を買い替える際に同じブランドの新車を購入したオーナーの割合を調べたものであるので、実際使ってみた上での継続した人気を計ることができるものである。
自動車販売等を行い、業界のニュースを配信する米コックス・オートモーティブ社(Cox Automotive)のリポートによれば、オーナーたちは、「燃費のよさ」「信頼性」、そしてなにより
「高い再販価値」
を評価している(2024年4月1日、同社リポート)。
さらに目を引く記述がある。トヨタは
「ディーラー受け」
のよいメーカーということ。つまり、ディーラーに利益をもたらすメーカーである、というのだ。
2023年、NADAディーラー態度調査で、レクサスが業界1位、トヨタが2位に選ばれた。ケリガンリポートでも、ディーラーの72%がトヨタに対し最高の信頼評価を与えている。業界平均は
「20%」
にも拘わらず、だ。
同社のエンタープライズ・インサイト/アドバイザリ担当シニア・ディレクターであるブライアン・フィンケルマイヤー氏は、日産で20年近くにわたりさまざまな営業リーダー職を務めてきた人物だが、もし幸運にもトヨタからディーラーにならないかという電話を受けたら、すぐさま快諾するとリポートを締めくくる(2024年4月1日、同社リポート)。