「妊娠中はシートベルト不要」と思っていませんか? 胎児の安全を守るために知ってほしい真実とは
妊娠中のシートベルト着用は、母体と胎児の安全を守るために必要不可欠だ。研究によると、妊婦の85.3%が週に1回以上運転しており、事故に遭うリスクは決して低くない。シートベルトを着用している妊婦の事故遭遇率は2.6%で、未着用の妊婦は4.6%と高くなる。このため、安全意識を高め、万が一の事故に備えることが大切だ。
意外と知らない妊婦の交通法

日本国内では多くの地域で、自家用車が日常的な移動手段として利用されている。そのため、妊娠中でも「クルマを運転する・乗る」という機会を減らすことは難しい。通勤や買い物だけでなく、定期健診や出産に向けた準備など、外出する機会が増えるからだ。
以前は
「妊娠中はシートベルトをしなくてもよい」
という考えが広まっていたこともあったが、実際には道路交通法によりシートベルトの着用は義務である。2008(平成20)年6月1日からは、運転席、助手席、後部座席を含むすべての座席でシートベルトを着用することが求められている。妊婦が運転していなくても、同乗している場合はシートベルトを着用しなければならず、着用しないと違反になる。
ただし、緊急時ややむを得ない場合には免除される特例も存在する。このため、一部の人々の間では「妊娠中はシートベルトをしなくてもよい」という誤解が広がったのかもしれない。
おなかが大きくなっている状態でシートベルトを着用することに抵抗を感じるのも理解できる。しかし、妊娠中こそシートベルトの着用が重要である。本記事では、1児の母である筆者(小島聖夏、フリーライター)の体験を交えながら、妊婦におけるシートベルトの重要性について紹介する。