「妊娠中はシートベルト不要」と思っていませんか? 胎児の安全を守るために知ってほしい真実とは
妊娠中のシートベルト着用は、母体と胎児の安全を守るために必要不可欠だ。研究によると、妊婦の85.3%が週に1回以上運転しており、事故に遭うリスクは決して低くない。シートベルトを着用している妊婦の事故遭遇率は2.6%で、未着用の妊婦は4.6%と高くなる。このため、安全意識を高め、万が一の事故に備えることが大切だ。
妊婦の85%が運転中
日本交通科学学会の会誌に掲載された論文「つわりと自動車運転-妊婦運転者に対する実態調査-」によると、妊娠後も85.3%の女性が週に1日以上自動車を運転している。
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この論文では、1000人の妊婦を対象に「自動車事故またはヒヤリハットの発生率」に関する調査結果が示されている。ヒヤリハットとは、重大な災害や事故に直結する一歩手前の出来事を指し、
「自動車事故またはヒヤリハットの経験あり」
と答えた妊婦は全体の10.6%に達した。
さらに、「妊産褥婦におけるシートベルト着用とチャイルドシート使用の推奨」という論文では、2420人の妊婦を対象に行った「妊娠中シートベルト着用状況に関する後方視的アンケート調査」の結果が示されている。この調査では、妊娠中に交通事故に遭遇した妊婦は2.9%という結果だった。
数値的には低い割合かもしれないが、この結果を軽視して「私は大丈夫」と考えるのは危険だ。筆者自身も事故に遭った経験があり、幸いにもケガはなかったが、おなかの子どもに危険が及ぶ可能性を考えると今でもゾッとする。
また、前述の論文には「アメリカの研究で、妊婦の6~7%が妊娠中に何らかの外傷を負い、新生児の約1%が子宮内で交通事故を経験している」という記載もあった。注意を払って生活していても、事故に遭う可能性は十分にあるのだ。
これらの結果と自身の経験から、クルマに乗る際のシートベルト着用は妊婦自身と子どもの安全を守るために不可欠であると考えている。