日産がプラグインハイブリッド車「自社開発」に踏み切ったワケ e-POWERとの親和性に勝機はあるのか?【リレー連載】ハイブリッド・ア・ゴーゴー!(9)

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日産自動車は、2020年代後半を見据えてPHVの自社開発を進めている。ハイブリッド技術「e-POWER」との親和性を生かし、需要の増加が見込まれるPHV市場に対応していく方針だ。2024年上半期には、EVの販売比率が65%に対し、PHVは35%に拡大する見通しだ。特に中国市場では、BYDの新技術が注目されているため、日産は航続距離や燃費性能で差別化を図る必要がある。

自社開発で挑むPHV

カスタムカーの展示会「東京オートサロン」に出店した日産自動車のロゴマーク。千葉市美浜区の幕張メッセ。2022年1月14日撮影(画像:時事)
カスタムカーの展示会「東京オートサロン」に出店した日産自動車のロゴマーク。千葉市美浜区の幕張メッセ。2022年1月14日撮影(画像:時事)

 日本経済新聞は9月23日、日産自動車がプラグインハイブリッド車(PHV)を自社開発する方針を報じた。

 早ければ2020年代後半までに技術を確立する見通しで、需要の動向を見ながら準備を進めていく。具体的には、日産のハイブリッド技術に充電器を取り付けるなどの改良を行ってPHVを開発するという。

 日産は長期ビジョン「日産アンビション2030」(2021年11月発表)に基づき、電動化を推進している。2023年2月末に発表されたアップデート版では、2030年までに投入する電動車モデル数を

「27車種(そのうち電気自動車〈EV〉は約70%の19車種)」

世界の電動車モデルのミックスを55%以上、欧州におけるアライアンス強化などを掲げている。

 日産のPHV自社開発が「日産アンビション2030」にどのような影響を与えるのかは興味深い点だ。本稿では、日産がPHVを自社開発する決断の背景や、ターゲット市場について考える。

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