物流倉庫バイトのリアル! 「パワハラ」「セクハラ」少ないのに、人材流出が止まらないワケ
定着率低下の悪循環
片手間にバイトしているやつが、なに文句ばっかりいうてるねん。そう思った読者も多いかもしれない。けれども、同じ時期に一緒に働き始めた、フルタイムのバイトの人たちはみんな辞めてしまったのだ。体力的にしんどいので、なかなか続かないのである。人が定着しない。新しい人が入っては辞めていくのを繰り返している。その結果、とても効率の悪い悪循環を生んでいる。
コミュニケーションをとる必要があまりない。これが物流倉庫のバイトで働くこと、特にピッキング作業の利点だと書いた。けれども、コミュニケーションがまったくないというわけではない。特に新人さんに対しては、ハンディターミナルの操作を教えたりする必要がある。
けれども、どうも倉庫で働く人には、コミュニケーションが上手でない人が多い。はっきりいうと、教え方が下手なのだ。なにを指示しているのかわからない。そして、教わる側もコミュニケーションが下手な人が多い。わからないことがあっても、質問しないまま、勝手に作業を進めてしまう。結局、ミスを連発して、最初から作業はやり直し。働き始めたころ、ぼく自身も何度か体験した。実際、同じ理由で、指導役のおばさんと新人のおばさんが怒鳴り合いのケンカになったこともある。
とはいえ、教える側のベテランもあまり丁寧に指導したがらない理由もわかる。だって、教えてもみんなすぐ辞めてしまうんだもの。最近では人手が足りないので、スマホアプリで応募してきたスマホバイトの人が働いている。丁寧に教えても、次は来ないかもしれないわけである。その結果、非効率な悪循環がさらにひどくなって、作業効率が極端に落ちている、と感じている。
労働環境を改善すれば、働く人がもう少し定着するはずだ。
「スキマバイトの仲介業者に中抜きされるお金」
をこっちに回したほうが、作業効率もアップするのではないか。物流倉庫で働く人間としてリアルに感じる実感である。