物流倉庫バイトのリアル! 「パワハラ」「セクハラ」少ないのに、人材流出が止まらないワケ

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物流倉庫でアルバイトをする筆者は、コミュニケーションが少ないため働きやすい。職場は静かで、他の人と話す必要がほとんどなく、ハラスメントのリスクも低い。ただし、厳しい作業環境や低賃金、離職率の高さが問題だ。特に体力的な負担が大きく、アルバイトの多くが続かず、新人が次々に辞めてしまう。コミュニケーションがないことで作業効率が低下し、悪循環に陥っている。この状況を改善するためには、賃金の引き上げや教育の充実が必要だ。労働環境を整えることで、人材の定着が促進されるだろう。

セクハラ・パワハラなしの裏側

物流倉庫のイメージ(画像:写真AC)
物流倉庫のイメージ(画像:写真AC)

 そのときになって、ぼくはようやく気づいた。田中さんが連呼していたのは、

「かーんち、セックスしよ」

の「かーんち」だ、と。『東京ラブストーリー』(フジテレビ、1991年)で鈴木保奈美が織田裕二にいうあの有名なセリフだ(厳密にはそんなセリフではないらしいが)。このおっさん、なにいうてんねん、とぼくはびっくりしてしまった。

 ジョークが通じないとわかったらしく、さすがの田中さんもしゃべらなくなった。女性のほうはどうやら本当に気づいてない様子だった。何か発言すれば、田中さんがはっきりと「かーんち、セックスしよ」と種明かしして、さらに事態を悪化させかねない。

 そう考えてぼくはそのまま黙っていたが、正直、どうすればよかったかわからない。もし女性が田中さんのジョークに気づいていたとしたら、なにもいえずに申し訳なかったと思う。とはいえ、これはイレギュラーなケースで、普段のピッキング作業中ではさすがの田中さんもおしゃべりできなかった。

 そもそも他人とやり取りしなければ、ハラスメントは存在しない。逆説めいているけど、コミュニケーションが少ない物流倉庫は、セクハラやパワハラを受けずに安全で快適に働ける可能性が高いと思う。また、職場の人間関係で悩まされることも少ないだろう。だって、あいさつすらしないわけだし、一緒に働いている人の名前もわからないぐらいなのだから。人間関係がそもそもないんだから、悩む必要なんてない。

 とはいえ、厳しいいい方になるが、物流倉庫のバイトのメリットは

「その点」

にしかないとも思っている。夏は暑いし、冬は寒い。空調が効かないフロアでは屋外と大して変わらない。いや、それ以上の気温になることもある。2024年の夏は熱中症で途中帰宅する人がいた。

 また、ドライバーがトラックに積み込んでくれるものの、それでも重いダンボール箱を運んだり、積み上げたりする作業がある。ぼくはまず腰を痛めた。腰をかばおうとして、次は膝を痛めた。そして、繁忙期など特別な時期以外は、時給は最低賃金レベル。しんどいわりには大して稼げない。

 逆にいえば、ぼくがさっきあげた不満を改善すれば、簡単に人は集まって定着すると思う。賃金をベースアップする、アシストスーツや空調冷却服の支給などなどだ。

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