普及率94%なのに「ETC助成キャンペーン」が毎年繰り返されているワケ

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ETCの普及率が94.3%に達し、コスト削減や渋滞緩和が進む中で、ETC専用ICが全国に広がっている。料金の収受コストは現金車の4分の1に抑えられ、さらに建設や管理費も大幅に削減できることから、高速道路の利便性向上や交通量のコントロールに大きく貢献している。新しいセキュリティ規格に対応したETC車載器の助成キャンペーンも行われており、今後もETCの普及と未来の交通インフラ整備に向けた取り組みが続いていく。

現金車は4倍のコスト負担

車内に設置されたETC車載器(画像:写真AC)
車内に設置されたETC車載器(画像:写真AC)

 国土交通省と高速道路各社がETCの普及にこだわるのには理由がある。そのひとつは「料金収受コスト」だ。国土交通省が2011(平成23)年のデータを基に算出したところ、ETC車と現金車の通行料金収受コストの差は4倍にもなる。

 具体的には、ETC車が1台あたり35円に対し、現金車は約4倍の

「141円」

にもなる。この年のETC普及率は85%だったため、現在の普及率が上昇していることを考えると、その差はさらに広がっていると考えられる。現金車にコストがかかる理由は人件費であり、ETC専用化が完了すれば大きなコストカットにつながる。

 高速道路の利用者を増やすためには、高速道路の利便性を向上させることが欠かせない。その一環としてICの整備が重要である。しかし、通常のICの整備には多大なコストがかかる。建設コストは約35億円、管理コストも年間約0.9億円に達する。日本の高速道路のIC間の距離は長く、外国と比べても、英国が4km、米国が5kmであるのに対し、日本は

「約10km」

だ。このため、コストが足かせになっているといえる。

 一方、ETC専用のICにすると、建設コストは約20億円、管理コストは約0.7億円に削減できる。ETC専用ICであれば整備のハードルが大きく下がる。国土交通省や各高速道路会社にとって、高速道路全体を維持管理しつつ利便性を向上させ、高速道路の活性化を図るためには、ETC専用化が絶対に必要なのだ。

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