片道120km以上の通勤者、コロナ禍で「3割以上」増加の衝撃! 米国研究で明らかに しかしそれは幸せなのか?
米国で広がる郊外生活とワークライフバランス

スタンフォード大学の研究チームが2024年6月に発表した「The Rise in Super Commuters(“スーパー通勤者”の増加)」という研究では、コロナ禍後に長距離通勤が急増している実態が報告されている。
車の衛星利用測位システム(GPS)データからわかったことは、米国の主要10都市で64km(40マイル)を超える通勤の割合が増加していることで、特に片道120km(75マイル)以上の移動をする“スーパー通勤者”がコロナ禍後に
「32%」
増加している。
この背景には在宅勤務の増加がある。コロナ禍で増えた在宅勤務のスタイルが、米国のビジネス環境においてある程度定着した。その一方、日本ではコロナ禍後に出社勤務が徐々に戻ってきているが、米国では在宅勤務がかなり根付いており、以前の状態には戻らないといわれている。
ムーディズ・アナリティクスの調査によると、2024年第1四半期(1~3月期)の米国のオフィス空室率は19.8%と過去最高を記録した。これは、コロナ禍を経てオフィス需要が低下していることを示しており、在宅勤務が想像以上に定着していることを意味する。
研究によると、在宅勤務の定着によって毎日の通勤の必要性が直接的に減少し、交通量が削減され、“スーパー通勤者”の移動時間の短縮にもつながることが示されている。つまり、都会で働いていても、コロナ禍後には郊外に住みやすくなったといえる。
これらの“スーパー通勤者”は、平均で片道2時間20分、往復で約5時間を通勤に費やしているが、コロナ禍前よりは短時間で済むようになり、通勤日も減っているため、長い通勤時間が心身に与える負担も軽減された。
“スーパー通勤者”は長時間の通勤を選択する代わりに、自然環境に囲まれた広い家に住むことを選び、私生活の充実を重視している。コロナ禍を契機に、広い意味での“ワークライフバランス”を見直す動きが増えているようだ。