軽スーパーハイトワゴンに「SUV風」デザインが続々と登場している根本理由

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軽スーパーハイトワゴン市場での激戦が続くなか、ホンダとスズキがアウトドア仕様の新モデルを投入。デリカミニの成功を背景に、SUVテイストや防災対応が需要をけん引。市場動向に注目が集まる。

防災意識が後押し

スズキ・スペーシアギア(画像:スズキ)
スズキ・スペーシアギア(画像:スズキ)

 では、各社が続々と発表しているアウトドアテイストの「軽スーパーハイトワゴン」の魅力について見てみる。

 まず注目すべきは、広々とした車室空間だ。キャンプなどのアウトドアグッズを楽に積み込むことができるのが大きなセールスポイントとなっている。大きな開口部と低い地上高により、荷物の積み下ろしも簡単だ。また、防汚タイプのラゲッジフロアや撥水(はっすい)加工が施されたシート生地のおかげで、ぬれた荷物や泥のついたものを気にせずに扱えるのも便利だ。

 さらに、キャンプ目的地までの山道などでの走行を考慮して、車高が高めに設定されている。デリカミニの4WDモデルは、最低地上高が約160mmに設定されており、悪路や駐車場の段差を乗り越えやすくなっている。このような高めの車高が「軽自動車のSUV」と呼ばれるゆえんだ。

 また、最近高まっている防災意識も、この種の車の購入需要を押し上げる要因となっている。気象庁が2024年8月8日に発表した「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」によって、防災意識が一段と高まっている。災害時には車中泊がしやすく、冠水や悪路での走破性も高く、避難時に多くの荷物を積める点が購入の動機として考えられるだろう。

 最後に、アウトドアテイスト特有の外観デザインや、メタリックカラーを中心とした多彩なボディカラーもポイントだ。これにより、街中でもアウトドアでもおしゃれに楽しむことができる。

 これらの要素から、アウトドアテイストの「軽スーパーハイトワゴン」の人気はますます高まると考えられる。

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