なぜ「一人旅」は旅館で歓迎されなかったのか? かつては想像できない“恐怖”のイメージも…… SNS話題のネタを深掘りする
宮城県の「温湯温泉 佐藤旅館」が一人旅の受け入れを積極的に発表し、SNSで2万5000の「いいね!」を集めた。かつては一人客が敬遠されたが、近年は受け入れ態勢が整っている。この流れは宿泊業界の変革を示唆している。
一人旅は節約旅行

このことから、1990年代の一人旅のブームは不況のなかでの
「節約旅行の選択肢」
だったとも考えられる。宿泊施設側も、一人客を歓迎していたわけではなく、
「空き部屋を持つよりはマシ」
という理由でやむを得ず受け入れていたにすぎなかった。
『朝日新聞』1999年1月20日付朝刊に掲載された「一人客ってなぜ旅館に嫌われるの?」という記事では、一人旅がブームになっているにもかかわらず、多くのガイドブックに
「休日の前日とオンシーズン以外」
「休日の前日、夏休み、ゴールデンウイーク、年末年始を除く」
「混雑時は一人は断られることが多いが、すいていても客が少なすぎると休館にされ、断られる」
といった注意書きが目立つことが指摘されている。