日伊共同「戦闘機開発」見直し報道、英労働党政権 日本にとって全然“対岸の火事”じゃないワケ
2024年7月に労働党が政権を握り、国防方針の見直しが提起された。厳しい財政状況を反映し、GCAPなどの大規模プロジェクト見直しが浮上。ウクライナ支援や軍の戦力向上が優先される中、日本との共同開発の行方が注目される。
国防費増額の実現困難

労働党新政権が打ち出した国防方針見直しは、これまでの国防方針への批判も含まれている。労働党は、総選挙以前から現行の国防方針を批判し続けてきた。現行の国防方針により、
「軍の空洞化を招いている」
というのが、労働党の主張だ。
労働党政権が発足する以前から、英国は国防の見直しを行っている。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、英国はウクライナに対する主要な支援国となっている。2024年4月24日に英国の庶民院で行ったシャップス国防大臣の報告によると、2022年から125億ポンドの支援を行っている。日本円に換算すると
「2.4兆円」
にも上っている。ちなみに英国の国防予算は2023会計年度で542億ポンドである。
2021年に打ち出された国防方針は英国軍の弱体化をもたらしていると、労働党は批判している。予算の不足により、調達プログラムに支障が出ている。
一方、英国の欧州連合(EU)離脱、コロナ禍は英国に経済不振をもたらした。保守党政権下のジョンソン政権は国防費を国内総生産(GDP)比2.5%、トラス政権は3.0%に増額すると表明した。
GDP比3.0%とは大体1000億ポンド(19兆6000億円)にも達する。英国も他の欧州諸国同様に予算拡大を行おうとしているが、国家財政にそのような余裕はない。結局、優先順位を決め、予算の再配分を行うしかなかったのである。