物流存続に不可欠な“痛みをともなう”大変革の行方【短期連載】フィジカルインターネットの課題を考える(3)
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- 物流, 人手不足, コスト, フィジカルインターネット
フィジカルインターネットの議論は始まったばかりだ。旧来の物流システムを革新するがゆえに、否定意見も噴出するだろう。第3話となる本稿では、それでもフィジカルインターネットを実現すべき理由を考える。
ブラックな企業の淘汰も進む?
フィジカルインターネットに参画するためには、業務のデジタル化を推進し、自社の持つ物流リソース、例えばトラックのスペック、その日の運行予定、倉庫の稼働状況などをフィジカルインターネットへ共有しなければならない。デジタル化の波に乗れない、ITリテラシーの低い物流企業は参画できず、淘汰されるだろう。
また、フィジカルインターネットへの参画資格として、コンプライアンスの遵守などが条件として課される可能性もある。
残念ながら、ブラックな働き方を従業員に強いたり、法令違反を繰り返したりする物流企業や、過積載や荷物の積み卸しのために長時間待機を強いる荷主企業は、いまだに存在する。こういった不埒(ふらち)な企業も、フィジカルインターネットは淘汰できるかもしれない。
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現在の物流ビジネスは末期症状を呈し始めている。
物流危機をこのまま放置すれば、物流コストはさらに上昇し、私たちの生活と日本経済に少しずつ、しかし確実に深刻な影響を及ぼす。
この病巣は、生半可な治療では完治しない。
だから、自動運転・無人運転トラックや、自動倉庫・無人倉庫、もしくはロボットの活用などの物流DXとともに、フィジカルインターネットのような変革が求められるのだ。
フィジカルインターネットの議論は始まったばかりだ。
持続可能な強い物流サービスへと変革するために、官民挙げて課題を乗り越え、フィジカルインターネットはぜひとも実現させなければならない。