大規模システム障害が暴露した航空業界の「過度なIT依存」 システムの高度化にともなう“ブラックボックス化”への懸念とは

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現代の航空業界はITなしでは成り立たないが、過度の依存は脆弱性を生む。システムダウンやランサムウエア攻撃のリスクは高まっており、業界の根本的な見直しが急務となっている。

IT支配の現実

『Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―』(画像:青土社)
『Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―』(画像:青土社)

 著者(戸崎肇、経済学者)はこの状況を社会の

「ブラックボックス化」

と呼んでいる。システムが高度になればなるほど、その仕組みを理解する人は少なくなる。場合によっては、システムを悪用するケースもあるだろう。

 例えば、米国で導入が進んでいるライドシェア(一般ドライバーが自分の車で乗客を有料で運ぶサービス)の場合、システムを構築した企業は

「AIを使ってドライバーに公平に配車している」

と主張しているが、実際にはその企業にとって都合のよいドライバーへの注文を優先していることを実証的に示した書籍もある(『Uberland ウーバーランド ―アルゴリズムはいかに働き方を変えているか―』青土社)。

 最悪の場合、ITに精通した一部の人間によって世界がコントロールされる可能性も否定できない。これこそ、英国の作家であるジョージ・オーウェルが1949年に発表した『1984年』で指摘した管理社会である。

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