大規模システム障害が暴露した航空業界の「過度なIT依存」 システムの高度化にともなう“ブラックボックス化”への懸念とは
現代の航空業界はITなしでは成り立たないが、過度の依存は脆弱性を生む。システムダウンやランサムウエア攻撃のリスクは高まっており、業界の根本的な見直しが急務となっている。
IT依存の危険性

その反面、航空会社はITへの
「過度の依存」
ゆえに脆弱でもある。
ITがより洗練され普及する以前は、システムダウンが発生した場合、スタッフはマニュアルで対応するよう訓練されていた。
例えば、チェックインのシステムがダウンしても、座席番号の書かれたシールを搭乗券に手作業で貼り付けることで乗り切ることができた。しかし、現在は当時とは比較にならないほど便数が増え、障害の原因究明にも時間がかかり(システムが高度化・複雑化すればするほど、どこで問題が発生したかを特定するのに時間がかかる)、問題解決に要する時間も長くなることが予想され、以前と同じような対応ができなくなった。
運航システムに障害が発生すれば、問題の深刻さはさらに増す。それによって事故が発生すれば、多くの人命が失われる可能性があるからだ。
この種の問題への対処は非常に難しい。これは航空業界だけでなく、他のIT関連業界すべてにいえることだ。技術が複雑なため、問題が発生したときに専門家でなければ原因を特定できないのだ。
実際、関西で起きた交通輸送システムの事故では、10年以上たってもシステムの問題が解決されなかったと聞いたことがある。