ホンダのWR-V旋風? 輸入車市場でメルセデスを猛追、円安逆風下でも輸入車が増えるワケとは
販売好調なWR-Vが輸入増をけん引

ホンダが輸入しているのは、海外工場から輸入販売している3車種である。
2023年12月から発売開始したオデッセイ(中国生産)と、2024年3月から発売したアコード(タイ生産)、およびWR-V(インド生産)である。WR-Vの販売は好調で、発売後1か月間の受注が1万3000台を超え、月販目標3000台の4倍以上となっている。
また、2024年1月以降の3車種の販売台数と輸入台数を並べてみると、ピッタリと一致している。3月からホンダの輸入台数が急増しており、この時期に発売開始され、販売好調なWR-Vが輸入増をけん引している。
ホンダ・WR-Vのコストパフォーマンスがいいと、発売前から評判は上々だ。パワートレインのバリエーションにハイブリッドはなく、1.5リッターエンジンのみ、四輪駆動も設定なしにも関わらず、同クラスのヴェゼルと比較して、内外装や装備のコストパフォーマンスが高いと好評だ。
4月にWR-Vの受注状況を公表したプレスリリースによれば、販売好調な要因は、
・車両前方の運転視界と荷室空間
・エクステリアデザイン
・209万8800円(税込み)からの価格設定
などとなっている。
今後もWR-Vの販売好調が維持されて月販目標の3000台以上となれば、ホンダの年間輸入台数は5万台近くまで伸びる勢いだ。2023年のメルセデスベンツの輸入台数5万1238台に迫り、9年連続で輸入車首位をキープするメルセデスベンツが、首位から陥落する可能性も出てくる。
円安で試されるWR-Vの競争力

しかし、コストパフォーマンスが高いと評判のいいWR-Vにも不安材料はある。目下の悩みの種は急激に進んでいる円安である。
WR-Vの輸出国であるインドの為替通貨ルピーと円の換算レートは、2020年4月当時は1ルピーは1.4円前後だったが、現在のレートは1.9円程度で、40%近く円安に推移している。
この先もさらに円安が進めば、ホンダはWR-Vの価格設定を見直さざるを得なくなり、コストパフォーマンスがいいという評判が崩れてしまうリスクがある。
ホンダが、単月の輸入車ブランドトップを獲得した1996(平成8)年当時の輸入台数は4万8079台で、VWの5万491台に次いで第2位だった。北米ホンダ生産で、左ハンドル仕様のアコードクーペやアコードワゴンの「逆輸入」が人気を博し、輸入台数が大幅に伸びた。
当時は円高が進行していた時代で、1994年に1ドル94円台だったのが底値で、1996年には100円前後で相場が推移していた。1980年代後半の円ドル相場200円半ばから半値以上に進んだ円高による
「お買い得感」
が、ホンダによる逆輸入車の販売増に拍車をかけた。しかし、現在の為替状況は円安基調で真逆の状態にあり、為替要因による販売伸長は期待できないだろう。