「中長距離フェリー」とは何か? 物流支える知られざる“裏方”、日本各地で活躍するその最新動向とは【短期連載】海洋国家にっぽんのフェリー進化論(2)
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日本にとってフェリーは欠かすことのできない交通手段である。今回は、中・長距離フェリーに焦点を当て、航路や物流におけるフェリーの役割を紹介する。
フェリーのサイズ比較

中型船と大型船の区分は、企業や団体などでさまざまな基準が用いられている。
20t以上・全長160m以下というような長さによる線引きがあれば、海上保安庁の資料では3000t未満が中型船という線引きもある。また、日本船舶海洋工学会が毎年技術的・芸術的に優れた船舶などに贈っているシップ・オブ・ザ・イヤーでは、5000t以上を大型客船の部、5000t未満を小型客船の部としている。
総トン数20t以上のフェリーをいくつかあげてみよう。
●JR西日本宮島フェリー みやじま丸
・全長:35.02m
・総トン数:254t
・最大旅客定員:800人(※自動車未搭載時)
・自動車台数:7台
●東京湾フェリー かなや丸
・全長:79.0m
・総トン数:3580t
・旅客定員:680人
・バスのみ最大台数:12台
・乗用車のみ最大台数:105台
●シルバーフェリー シルバープリンセス
・全長:150.0m
・総トン数:10536t
・旅客定員:500人
・トラック台数:92台(12m換算)
・乗用車台数:30台
●商船三井さんふらわあ さんふらわあくれない
・全長:199.9m
・総トン数:17114t
・旅客定員:716人
・トラック台数:137台(13m換算)
・乗用車台数:100台
こうしてみると、どことどこを結びかつ何をメインとして運ぶ(収益源とする)のかを考え、その航路にフィットしたサイズ、旅客定員や車両台数のフェリーが投入されていることがわかる。