ホンダ「脱ガソリン」本気 中国で希望退職1700人応募も、海外勢へ強まる逆風とは

キーワード :
, ,
5月中旬、ホンダが中国での自動車販売減少を受けて、現地合弁工場の人員削減を行うと報じられた。広汽ホンダはEVを販売しているが、ガソリン車をどうするのか。

8割が自国ブランドとなる予測も

中国国旗(画像:写真AC)
中国国旗(画像:写真AC)

 2030年までに、中国で販売される自動車の“5台中4台”が中国ブランドとなる予測もある。実際、2024年1月の中国における乗用車販売実績では、

・中国ブランド:60.4%
・ドイツ系:17.3%
・日系:12.9%
・米国系:6.4%
・韓国系:1.5%

との内訳となっており(日本貿易振興機構)、予測どおりとなるのは時間の問題だろう。2023年の中国における自動車販売台数約3000万台を基に計算すると、中国以外のブランドはわずか600万台しかなくなり、海外勢は全く歯が立たないといってもよい。今後さらに自動車販売台数が拡大するならチャンスはあるだろうが、

「わずかなパイを海外のブランドで奪い合う」

となると、ホンダの120万台維持もかなり厳しいかもしれない。また中国市場には、EVの販売競争激化だけでない不安要素をはらんでいる。

 最近欧州において、中国とのデカップリング、つまり中国政府による欧州勢切り離しが盛んに報道されている。デカップリングは“経済分断”ともいわれ、高い関税をお互いに課すなどして経済活動を阻害することをいう。今までは米中貿易戦争でデカップリングが進んできたが、中国はより自国の経済安全保障を追求する姿勢を強める懸念が拭えないでいる。

 中国だけでなく世界経済は、これまではグローバリゼーションの流れに乗って成長してきたが、反対方向に動き出しているといってもよい。デカップリングがより広域化かつ先鋭化すると、中国で自動車が売れるかどうかは政治の問題となり、自動車メーカー1社でどうにかなるものではない。

 自国の経済安全保障を追求する世界的な流れが強まったときに、中国市場に見切りをつけて他の市場を開拓するのか、それとも、強まったとしても鈍化するまで辛抱して市場にとどまるのかが問われている。

全てのコメントを見る