「高齢者の孤独死」年間6.8万人の衝撃! そうなりたくなければ、「公共交通」にもっと関心を持つべきだ

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日本の65歳以上の“孤独死”は年間約6万8000人にのぼる。このニュースが報じられると、X(旧ツイッター)では「高齢者の孤独死」がトレンド入りし、大きな話題となった。

移動困難さと外出低下

公共交通のイメージ(画像:写真AC)
公共交通のイメージ(画像:写真AC)

 この外出頻度の低下には、加齢にともなう身体機能の衰えだけでなく、

「移動の困難さ」

が大きく影響していると考えられる。同調査では、外出時の“交通手段”についても尋ねている。それによれば、75歳以上の高齢者のバスや電車などの公共交通機関の利用割合は23.3%で、60~64歳の40.3%と比べて大幅に低い。一方で、徒歩の割合は75歳以上で47.6%と、60~64歳の30.3%よりも高くなっている。

 これは、バスや鉄道の本数が少なく、運賃も高いといった公共交通の利便性の低さが、高齢者の外出を阻む一因となっていることを示唆している。特に、地方都市や過疎地域では、公共交通ネットワークの縮小が進み、自家用車を持たない(加齢で運転ができなくなった)高齢者にとって、外出そのものが困難な状況が生まれている。交通利便性の低さは、高齢者の社会参加の機会を奪い、人との交流を途絶えさせる。

「行きたくても行けない」

状況が、やがて孤独死へと向かうのだ。高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送るためにはモビリティの確保、すなわち

「年齢や身体能力に関わらず利用しやすい公共交通サービス」

の提供が欠かせない。それは、単なる移動手段の確保にとどまらず、高齢者の社会とのつながりを維持する上で重要な役割を果たすからである。そこで参考にすべきは、各地で実施されている地域が一体となって公共交通のアクセシビリティ向上に取り組む動きだ。

 先進事例として、富山市の「お出かけ定期券」などが挙げられる。高齢者の外出を支援するため、路面電車・バスが定額で乗り放題になるサービスで、利用者から好評を博している。このような、高齢者が自動車にかわって公共交通を利用できる環境づくりを進めることが、高齢者の社会参加を支え、孤独死防止につながるのだ。

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