四国は新幹線「空白地帯」 地元で構想加速も、経済効果は本当にあるのか?

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四国では新幹線の整備を目指す動きが続いている。実現すれば、高松から東京までたった2時間半。その需要の先には何があるのか。

経済効果は未知数

本四架橋開通による経済効果(画像:国土交通省四国地方整備局)
本四架橋開通による経済効果(画像:国土交通省四国地方整備局)

 長時間の乗車が敬遠されるのか、北海道新幹線の2016年時点での1日平均乗車人員は6200人で、平均乗車率は32%となっている。2020年度はコロナ禍もあり1500人、8%まで減少している。新函館北斗駅前には開業に併せて5.3haの商業地が整備されたが、約32%の1.7haは売れ残って更地になったままだ。

 なにより、四国4県にとって東京とのつながりはあまり意識されない。四国4県の大抵の人がイメージする「最寄りの大都市」は大阪だからだ。高速バス路線も整備されているため、速いが高額な新幹線の需要は不透明といえる。

 本州四国連絡高速道路などが2019年にまとめた本四架橋開通による経済効果は、1988年からの累計で約41兆円とされている。

 ただ、これは高速道路を使った運輸が活発になったことで、四国の工業製品出荷額が増加したためだ。つまり、人を運ぶ新幹線による経済効果は未知数なのだ。

 北海道では札幌延伸工事による並行在来線廃線の可能性から、貨物新幹線の導入も検討されている。四国での新幹線整備は今後、最初から貨物新幹線としての利用を視野にいれることもありそうだ。

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