元中級幹部自衛官の私が、日本の「ウクライナ軍事支援」に断固反対する3つの理由 背後にちらつく“武器輸出解禁”という口実とは
ウクライナを救うために、日本も米国や欧州のように武器弾薬を援助すべきだという意見がある。防衛、外交、安全保障に携わる人々はそれを推進しているが、まったく相手にされていない。なぜか。
在庫・援助は別の話

日本は武器弾薬を援助するまでの立場ではない。人道援助の水準でよい。
たしかに日本には余剰兵器や弾薬はある。退役保管している74式戦車や老朽更新を始めた野砲のFH-70はウクライナが求めている兵器である。また払底している155ミリ砲弾も大量に在庫している。
ただ、余っていることと、渡してよいかは別の話である。日本は戦争に深入りすべきではないし、そうするまでの厳しい戦局でもない。武器禁輸の国是を曲げる必要性もない。