ANAの貨物料金値下げ「10分の1」は本当に成功する? 空港積み替え・対応時間に懸念あり、今後柔軟に対応できるか

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ANAは4月から、10~17時に限り、国内線航空貨物料金を最大10分の1に引き下げると発表した。この決断の可能性とデメリットとは。

ANA、労働規制に柔軟対策

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 ANAは、この4月から国内の航空貨物料金を昼間帯(10~17時)に限り、 従来の最大10分の1に引き下げると発表した。この値下げは、新千歳、福岡、伊丹、羽田空港間の路線に適用される。

 これは「2024年問題」への対応の一環と見られている。2024年問題とは、2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限された場合に生じる問題を指す。

 それまではトラックドライバーの時間外労働の長さが問題視されていたが、いきなり規制を強化すると社会への影響が大きすぎて物流が停滞すると判断され、一定の猶予期間が与えられていた。

 しかし今回、本格的に対策がとられることになった。これではジャスト・イン・タイムに支えられているコンビニエンスストアなどの営業は厳しくなり、宅配便はいつ荷物が届くのかわからなくなる。大きな社会的混乱を引き起こす、戦々恐々とした状況が出現するのだ。

 こうした事態への対応策のひとつとしてANAが発表した今回の措置は、世間の大きな関心を呼んだ。ANAの決断は前例のない新たな挑戦であり、高く評価されるべきものだ。混迷の時代を生き抜くための“努力の表れ”として前向きに捉えるべきだろう。

 本稿では、ANAの決断がもたらす可能性と懸念されるマイナス面について考えてみたい。

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