ANAの貨物料金値下げ「10分の1」は本当に成功する? 空港積み替え・対応時間に懸念あり、今後柔軟に対応できるか
ANAは4月から、10~17時に限り、国内線航空貨物料金を最大10分の1に引き下げると発表した。この決断の可能性とデメリットとは。
収益性向上と社会への影響
航空会社にとっては、単に2024年問題の解決に貢献するということだけでなく、民間企業である以上、需要が相対的に低いと予想される時期に供給枠を埋めたいという戦略的なニーズも当然ある。
宅配便を含む多くの物流会社は、夜間や早朝の航空便を利用し、日中に集荷・仕分けなどを行う。そのため、中間帯の貨物スペースの利用率は低い。2024年3月23日付け『日本経済新聞』によれば、ANAの場合、約20%だという。
あとは、今後の取引実態を踏まえて、
・割引率
・時間設定
を柔軟かつ弾力的に見直し、収益性を向上できるようなシステム設計に磨きをかけることが重要になる。もちろん、これはANA自身も十分承知していることだ。
いずれにせよ、ANAの挑戦がANA自身だけでなく、社会全体にとって実を結ぶことを強く期待したい。