HVの代名詞「プリウス」 その人気を押し上げたのは、なんと“ハリウッドスター”だった!【リレー連載】ハイブリッド・ア・ゴーゴー!(4)

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欧米主導の急進的EVシフトが風前のともしびとなり、再びハイブリッド車に注目が集まっている。本連載では、ハイブリッド車の進化と市場の変化をわかりやすく紹介。その魅力が今後の持続可能なモビリティにどうつながっていくのか、データを交えて解説する。なお、連載名の元ネタは、1965年から1966年まで放送されていた米音楽バラエティー番組「ハリウッド・ア・ゴーゴー」である。

初代プリウスの苦戦

パリの街中を走るプリウスタクシー(画像:森口将之)
パリの街中を走るプリウスタクシー(画像:森口将之)

 欧州が火付け役になり、米国や中国が追随した形の電気自動車(EV)シフトが一段落している。今後再び盛り返すのか、あるいはこのまま収束するのかはわからないが、現時点ではハイブリッド車(HV)に再び注目が集まっている。

 でも歴史を振り返れば、HVをいち早く評価したのは生まれ故郷の日本より、むしろ米国だったことを覚えている人もいるだろう。

 HVのパイオニアはもちろん、1997(平成9)年に「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーとともに登場したトヨタ自動車「プリウス」だ。

 しかし初代プリウスは当初、販売が伸び悩んだ。筆者(森口将之、モビリティジャーナリスト)も何度か試乗したことがあったが、ハイブリッドシステムは力不足が目立ったし、セダンながら背が高く前後の短いフォルムは万人向けではなかった。

 一部の新し物好きからは評価された。でも多くの日本人は新しいモノものやコトに対して慎重であり、かつ最初から完璧を求めるという考えの持ち主なので、ヒットには結びつかなかった。

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