EV以下、ガソリン車以上! 消費者は結局、ハイブリッド車の“適度な環境性能”を求めていたのか【リレー連載】ハイブリッド・ア・ゴーゴー!(3)
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欧米主導の急進的EVシフトが風前のともしびとなり、再びハイブリッド車に注目が集まっている。本連載では、ハイブリッド車の進化と市場の変化をわかりやすく紹介。その魅力が今後の持続可能なモビリティにどうつながっていくのか、データを交えて解説する。なお、連載名の元ネタは、1965年から1966年まで放送されていた米音楽バラエティー番組「ハリウッド・ア・ゴーゴー」である。
驚くべき欧州投資銀行のリポート

欧州投資銀行による、気候変動に関する意識調査(2021~2022年)の結果が面白い。このリポートでは、欧州各国において気候変動や環境に対する意識について調査を行った結果をまとめている。
例えば、欧州人の
「78%」
が日々の生活において気候変動対策を意識し、若い世代の69%がバケーション先の決定に際して気候変動対策を考慮に入れるなど、さまざまな観点での世代別の傾向が明らかになっていて面白い。
もちろん、次はどのタイプを選択するのかという、自動車の購入行動についても調査を行っていた。
・ガソリン車かディーゼル車:33%
・ハイブリッド車(HV):39%
・電気自動車(EV):28%
このように欧州全体としては、HVが最も多く選ばれており、ガソリン車・ディーゼル車も依然と支持されているどころか、EVすら上回っているのは驚くべきことではないだろうか。
国別では、キプロス、ポルトガル、マルタが上位3位で、HVかEVを指向する人が80%を超えている。なお、HVとEVの比率は、ほぼ半分半分かHVが少し高いぐらいだ。ちなみに低い国は、下から順にチェコ、ルクセンブルク、オーストリアで、HVかEVを志向する人が50%となっており、かつEVよりHVのほうが上回っていた。
また、新車におけるEVの購入比率が高いスウェーデンは16位であり、HVとEVの比率が約35%ずつで、次回もガソリン車かディーゼル車を選ぶグループが30%もいるという、意外な結果だった。