アニメが好きすぎて「聖地」に移住ブーム! でも、地方取材多い私がイマイチ賛成できないワケ

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近年、自治体が「聖地移住」を推進する動きも出始めている。本当にうまく行くのか。

町おこしとしての聖地巡礼

地方移住のイメージ(画像:写真AC)
地方移住のイメージ(画像:写真AC)

 では、聖地巡礼による町おこしを企画する側は、どのような移住を期待しているのだろうか。地域おこし協力隊として岡山県和気町に移住し、2020年にテレビアニメ化された『推しが武道館いってくれたら死ぬ』を活用した町おこしに携わる和気町移住推進室の新井清隆氏は、こう話す。

「移住は歓迎しています。彼らはその地域を何度も訪れ、地域住民と交流し、人間関係を築いていることが多いからです」

 実際に、この作品をきっかけに何度も和気町を訪れ、地域住民との交流を楽しんでいる人たちもすでにいる。また、『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』がきっかけで移住をした人たちもいるという。

「もともと岡山には何の興味もなかった首都圏在住の方が、作品の影響で岡山県への移住に興味を持ち、何度も岡山を訪れているうちに岡山市へ移住したそうです」

 新井氏は移住希望者を限定するつもりはない。アニメや漫画が好きな人はもちろん、そうでない人にも門戸を開いている。単身者も家族連れも歓迎だ。その上で、新井氏は自身も移住者で、地域おこし協力隊として町おこしに携わる立場から

「(移住者に希望があるとすれば)この町でビジネスを始める意欲のある人です。というのも、町には空き店舗が増え、活気がなくなってきています。そのような店舗を活用して起業してもらえれば、町に活気が生まれ、雇用の創出も期待できます。そういう人たちと和気町を盛り上げていくのが私の理想です」

と、新たな移住者に期待を膨らませて語った。その一方で、移住に不向きな人については、こう話す。

「地域になじむ気がない人は、地方での暮らしに向いていないと思います。ご近所同士のあいさつや草刈りなどの習慣。それに、年に数回の地域の清掃活動など、都会にはない共同作業への参加が求められます。そのため、都会での生活以上にコミュニケーションが求められるのは否めません。周囲とのコミュニケーションを苦に感じる方は、難しいかも知れません」

結局のところ、聖地はあくまでも「きっかけ」であり、新しい地域に移住する際に心がけるべきことは、通常の地方への移住と何ら変わらない。

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