率直に言う 山手線の平日昼間「5分間隔ダイヤ」は、JRの企業価値を毀損している
首都圏で電車を利用する人なら、JRの本数が減っていることに気づいているかもしれない。
鉄道路線の価値を下げる列車ダイヤ

現在、JR東日本は都心部の不動産開発に熱心だ。高輪ゲートウェイ駅周辺のように、総力を挙げて開発するケースもあれば、東急グループや渋谷区の渋谷駅周辺再開発計画にあわせて間接的に関わるケースもある。
東京駅・新宿駅周辺など、再開発が進む地域も多く、それらを結ぶ山手線(とその内側の鉄道)の利便性を高め、人々が移動しやすいようにする必要がある。現在、さまざまな事業者が都心部の開発に力を入れており、ポストコロナに向けて多くの人を呼び込もうとしている。
JR東日本は、その主体となって動いている。鉄道会社といえども、不動産事業には非常に熱心だ。そんなJR東日本こそ、都心部でさらなる価値を生み出す努力をしなければならない。
しかし、山手線はコロナ禍前より本数が減っている。鉄道の利便性は悪化し、混雑が目立っている。そして、JR東日本の企業イメージも悪化するという負のスパイラルに陥っている。
山手線の利用者減少を象徴するかのような「平日昼間5分間隔ダイヤ」は、都市の衰退を端的に表しているとさえいえる。そんな都市で、企業は経済活動を行おうとするだろうか。
列車ダイヤは、鉄道会社の鉄道事業が利用者に示す「商品」であり、利用者に提供するサービスを示すものである。もちろん、本数が多くて使いやすければ優れたサービスであり、本数が少なくて不便であれば“それなり”のサービスである。
JR東日本が不動産事業の価値を高めようとしている山手線沿線では、鉄道事業の価値は以前に比べて低下している。同社は鉄道事業よりもIT・Suica事業や不動産・都市開発事業に力を入れているが、これは鉄道事業とのシナジーがあるからこそ可能なのだ。