京葉線「ダイヤ改悪」はなぜ防げなかったのか? JR・行政の間に横たわる“構造的問題”を考える
JRの首都圏区間のダイヤは、私鉄に比べてわかりにくく、サービスレベルも劣る。沿線自治体もそれを感じて改善要望を出しているが、抜本的な改善には至っていないケースが多い。
沿線自治体の反応
京葉線のラッシュ時の快速・通勤快速廃止で、通勤時間が片道20分近く延びるとの発表が話題になっている。
これまで少しずつ快速や通勤快速の減便が行われてきたが、今頃になって沿線自治体が
「沿線価値の毀損(きそん)、街づくりに支障、公共交通機関としての自覚をかなぐり捨てた暴挙」
などと騒ぎ出すという状況である。
筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)は兼ねてよりJRの首都圏区間のダイヤは、そのすべてではないにせよ、私鉄各線と比べてわかりづらく、サービスレベルの見劣りを感じてきた。沿線自治体もそれを感じて改善要望を出しているところもあるが、出し方が悪く、抜本的な改善までは至っていないことが多い。
なぜこのような状況が続き、むしろ悪化しているのか。これはJRと行政の構造的問題にあると考えられる。