率直に言う 山手線の平日昼間「5分間隔ダイヤ」は、JRの企業価値を毀損している

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首都圏で電車を利用する人なら、JRの本数が減っていることに気づいているかもしれない。

コロナ対策で本数減少

山手線(画像:写真AC)
山手線(画像:写真AC)

 首都圏で電車を利用する人なら、JRの本数が減っていることに気づいているかもしれない。

 コロナ禍以前は3~4分に1本だったが、今では

「5~6分に1本」

になっていると感じている人も多いだろう。

 実際、JR東日本はコロナ禍以来、列車間隔を広げている。同社の論理は、コロナ禍以来乗客数が戻っていないから本数を減らしているというものだ。

 しかし、乗客の立場からすれば、本数を減らしたとはいえ、それなりに利用客はいるわけで、もはや平常に戻りつつあるように見えるのだ。

コロナ後も続く混雑問題

山手線(画像:写真AC)
山手線(画像:写真AC)

 都心部の路線を利用していると、平日の昼間でも意外と人が乗っていることに気づく。特に山手線の池袋~新宿~渋谷間だ。山手線のなかでも、この区間の混雑が目立つ。

 山手線は、池袋~大崎間で湘南新宿ラインや埼京線(ただしこれらは同一の線路を走ると、品川~田端間で京浜東北線や上野東京ライン(それぞれは別々の線路を使用する)と並行して走っている。これらの区間はもともと利用者が多い。

 品川~田端間は、利用する路線によってある程度利用者がわかれている。区間内でも山手線と京浜東北線に分散する。

 しかし池袋~大崎間は、

・湘南新宿ラインと埼京線を走る山手貨物線の速達性が好まれるケース
・山手線の停車駅の多さの利便性が好まれるケース

のそれぞれがあり、さらに、区間内の利用は山手線に集中している。こうした理由から、山手線は東京の西側で混雑が目立つ傾向にある。

 コロナ禍以降、利用者が少ないため運行本数は減っているが、見かけ上の混雑は変わっていない。しかも、人がそれなりに動くようになっているためだろうか、かえって混雑しているような印象を利用者に与えかねない。

 昼間に利用客の少ない郊外の各駅停車の話ではなく、JR東日本の“看板路線”である山手線がこのような状況にあるのだ。現在、山手線は

・平日昼間:5分間隔
・土日祝日:4分間隔

で運行している。日本最大の都市圏の中心を走る山手線にしては、本数が少ないとさえいえる。以前は3分に1本程度ではなかったのか。ラッシュ時にはダイヤをもっとみっちり詰めていなかったか。

 コロナ禍以降、人々は互いに距離を置くようになり、より多くのスペースを空けることが求められるようになった。しかも、感染そのものは終わっていない。乗客に余裕のある空間を与える発想はないのだろうか。

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