運転シミュレーターが大人気 近年の鉄道ミュージアムに「体験型コンテンツ」が増えているワケ
ミュージアムのエンタメ性が高まった理由

2011(平成23)年には東海旅客鉄道(JR東海)のリニア・鉄道館(愛知県名古屋市)、2013年には京王電鉄の京王れーるランド(東京都日野市)がオープン、四国旅客鉄道(JR四国)の四国鉄道文化館(愛媛県西条市)がリニューアルオープンした(南館のオープンは2014年)。
2014年には、地方自治体が観光資源として地域の鉄道に関する資料館を開発した、JR肥薩線の映像・資料を展示する人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション(熊本県人吉市)、旧小坂鉄道の車両・資料を展示する小坂鉄道レールパーク(秋田県小坂町)がオープンした。さらに2016年には、交通科学博物館の資料を継承する、西日本旅客鉄道(JR西日本)の国内最大規模の鉄道ミュージアム・京都鉄道博物館(京都府京都市)がオープンした。
2020年代に入ってからも、2020年1月21日には京浜急行電鉄の京急ミュージアム(神奈川県横浜市)、2021年4月19日には小田急電鉄のロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市)がオープンしている。
近年の鉄道系ミュージアムは、実物もしくは実物さながらの運転シミュレーター、鉄道模型の操作が楽しめる大型レイアウトなど、参加体験型で楽しめる要素が多くなっている。これは、企業ミュージアムがコーポレートコミュニケーション(企業が公衆に理念や活動内容、情報を伝える活動)の観点から集客性を重視し、エンターテインメント性を取り入れるようになったことの反映とも言える。
昔から鉄道は子どもの乗り物遊びのアイテムのひとつであり、大人になっても鉄道を運転してみたいという欲求を持つ人は少なくない。シミュレーターなどの導入で誰でも楽しめるアミューズメント性の高い施設となることもうなずけるだろう。
また、鉄道は老若男女、誰もが日常的に利用する乗り物であり、なじみが深く、個々でさまざまな思い入れがあったりする。改めて見ると、懐かしい日常の1コマを思い出す展示も多い。
近年の鉄道ミュージアムはこれらの要素を効果的に引き出し、幅広い層に訴求していることが特徴であり、集客規模が拡大する結果となっている。