内向き日本人の大反省! 「スマホ」を捨てて、そろそろ旅に出てみないか?【リレー連載】平和産業としての令和観光論(5)

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コロナ禍や世界各地の戦争を乗り越え、観光が平和と国際協力に与える影響を探るリレー連載。異文化理解や対話の促進を通じて、観光は「平和産業」としてどのような役割を果たすべきかを検証する。

若者に求められる異文化体験

スマホを持つ若者のイメージ(画像:写真AC)
スマホを持つ若者のイメージ(画像:写真AC)

 岸田首相を議長とする教育未来創造会議が、2023年4月に提言した「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ」では、2033年までに日本人学生50万人を海外に派遣するとしている。

 この提言のなかで、諸外国で外国留学を希望する者が5割を超える一方で、日本の若者では

「留学をしたいとは思わない」

と答える者が5割を超えているという。これは若者への苦言ではなく、上の世代を含めて常に内向きだった日本人への反省と見るべきだろう。

 ただ、教育未来創造会議の提言は、高等教育を受けていることが前提となっていることが少し残念でならない。高等教育の有無にかかわらず、ワーホリで世界に旅立つ若者に対し、往復の航空機代を国家予算で支給するぐらいの懐の深さも期待したいところだ。

 先日、「ドジャースの大谷翔平投手(29)が、8月に米国へ留学する日本の小学4年生から高校3年生までの100人の費用を全額負担する」というニュースがあった。この取り組みも、日本人の若者が世界を感じるための良い機会を提供するだろう。

 平和の主役として世界を動かすためには、若者の力が必要であり、若いうちに異文化に触れる必要がある。とはいえ現状を見ると、SNSやインターネットで容易に情報が入手できる環境が整っており、わざわざ旅に出る必要性が薄れているのではないだろうか。

 さらには、過度な依存による

・蛇化現象(自分が好む人がやればどんな行動もすてきに見えてしまうこと)
・好まない情報のブロックによる思考の偏り

が危惧されており、相互理解とは真反対の方向に進んでいるように思えなくもない。これからの平和の主役としての若者に、インターネットの情報に頼るだけでなく実際に肌で異文化を感じるために、

「スマホを捨てて旅に出よう」

とより一層働きかけなければならない。

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