60人死亡の惨劇も 21世紀「空港テロ」の歴史と現実、今年のパリ五輪は無事開催なるか
飛行機が炎上するなどの事故は過去にも繰り返されてきたが、テロの歴史を通じて空港でのテロ事件も頻発しており、21世紀以降もいくつかの事例がある。
各国が警備を強化する必要性

また、近年ではアフガニスタンの首都カブールの空港付近で2021年8月26日、自爆と銃撃によるテロが相次いで発生し、米兵14人とアフガニスタン人少なくとも60人が死亡、140人以上が負傷した。
このテロ事件では、空港付近の検問所外に集まっていた大勢の市民の近くで男が自爆し、その直後に別の男が人々に向け銃を乱射した。それとほぼ同時に、空港近くのホテルなどでも爆弾が爆発した。
事件後、同国を拠点とするイスラム過激派組織「イスラム国のホラサン州」が犯行を認め、米軍の共謀者や協力者を狙ったとする犯行声明を出した。一方、米当局はテロの恐れがあるという内部情報を事前につかんでいたとされ、8月25日に自国民やアフガニスタン市民に空港から退避するよう促していた。
このように21世紀だけでも、トルコやロシア、アフガニスタンで諸外国との玄関口となる国際空港で大きなテロ事件が発生している。いずれの事件もイスラム過激派関連だが、近年イスラム過激派によるテロの脅威は以前ほどではない。
しかし、アルカイダやイスラム国を支持する組織やその過激思想に共鳴する個人は依然として存在し、2024年の夏にはパリでオリンピックが開催されることから、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港ではテロ警備が厳重に強化されるだろう。