関越道に引かれた「緑色ライン」の正体 渋滞緩和の秘密兵器か、それとも新たな事故の原因か?
ETCの普及により、高速道路の渋滞は減少している。対策次第で渋滞を緩和することは可能だ。さて、NEXCO東日本が導入した“緑色のライン”をご存じだろうか。
交通流の改善
「車線キープグリーンライン」と呼ばれるこのラインは、関越自動車道(下り)東松山ICから本線への進入路と、IC付近の本線走行車線に設置されている。
グリーンラインの目的は、ドライバーにラインに従って走行車線の左側を左側通行するよう促すことで、追い越し車線への車両の集中や無理な車線変更の必要性を減らすことにある。渋滞や事故の減少が期待される。また、グリーンラインに沿って走行すれば、自然と正しい方向の本線に合流するため、逆走防止にも効果が期待できる。
さて、実際の効果はどうなのだろうか。第42回交通工学研究発表会での「関越道(下)における車線キープグリーンラインによる渋滞対策の効果検証」という論文によると、渋滞時の交通流率は、グリーンライン設置前が毎時4121台だったのに対し、設置後は毎時4179台となり、毎時58台(1.8%)増加した。
車線別の交通流率も、第1走行車線が11.8%、第2走行車線が1.4%増加したのに対し、追い越し車線は2.8%減少した。
論文は「車線キープグリーンラインは渋滞対策効果があり、簡易的なソフト対策として機能することを明らかにした」としている。