関越道に引かれた「緑色ライン」の正体 渋滞緩和の秘密兵器か、それとも新たな事故の原因か?

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ETCの普及により、高速道路の渋滞は減少している。対策次第で渋滞を緩和することは可能だ。さて、NEXCO東日本が導入した“緑色のライン”をご存じだろうか。

急がれる周知と統一運用

「緑色」の車両誘導線イメージ(画像:国土交通省)
「緑色」の車両誘導線イメージ(画像:国土交通省)

 事態をさらに混乱させる事態が発生している。

 国土交通省近畿地方整備局管轄の京奈和自動車道において、2023年に紀の川IC~紀の川東IC間に車両誘導を目的としたグリーンラインが引かれた。車両誘導の意図はNEXCO東日本のグリーンラインと同じだが、京奈和自動車道の誘導線は車線のほぼ中央に引かれている。

 これは車両がラインをまたぐことを想定しているためで、NEXCO東日本とは運用方法が異なるため混乱を招いている。国土交通省は、秋田自動車道の鷹巣IC~二井田真中IC間、日本海東北自動車道の仁賀保IC~大内ジャンクション(JCT)間など、他の場所でも同様のガイド線を導入している。

 名古屋高速道路公社は2022年末、舞鶴南JCT区間にNEXCO東日本と同じタイプの誘導線を導入した。今後、渋滞緩和や事故防止のために全国の高速道路にグリーンラインが導入されるとすれば、運用方法が異なることはドライバーの混乱を招き、新たな事故につながる可能性がある。

  快適で安全なドライブに有効な新しいアイデアの実用化は歓迎したい。高速道路を管理する組織が異なるなど、ハードルがあることは理解しているが、新しいシステムの導入にともなう別の問題や混乱が生じないよう、統一的な周知と運用を期待したい。

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