「動物が可哀想」じゃ済まない ヒグマvsドローン 深刻な鳥獣被害とその駆除方法とは
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目撃数が増えている理由

札幌市では、2022年に住宅地からわずか数百メートルほど離れた西区の三角山でヒグマが冬眠していることが確認されたほか、豊平区の札幌ドームの敷地内でもヒグマが目撃されている。市はこれまでにも対策委員会を設置し、ヒグマ対策に追われてきた。
札幌市でヒグマの出没や人身事故が増えているのは、この地が約195万人の人々が暮らす大都市でありながら、豊かな自然にも恵まれていることが原因のひとつ。実際、札幌市の航空写真を確認すると、市街地は北東部分のみ。総面積の約6割を森林が占めているのだ。
また、この50年で市内の農地面積が減少しており、森林と住宅地の間で人と野生動物を隔てる緩衝帯の役割を果たしていた農地が宅地へ置き換わっているのも理由に挙げられる。この現象は今後も続くとされ、人とヒグマの距離はますます近くなっていくことが懸念されている。
同市は、
「札幌市のように多くの人口を抱えながら市街地のすぐそばにある豊かな自然環境のなかでヒグマが生息しているような都市は、世界的にもあまり例がありません」
として、「人とヒグマがどのように共生していくべきかを考え、その実現に向けて先進的な取組を進めていく」方針で、2023年には、「さっぽろヒグマ基本計画2023」が策定された。
この計画では、人間の安全を最優先とする「市街地ゾーン」と、ヒグマの生息を担保する「森林ゾーン」の間に、森林に接した農地や公園などヒグマの侵入を抑制し定着を防止する「市街地周辺ゾーン」と、ヒグマの侵入は許容するが定着を抑制し市街地ゾーンとの緩衝帯とする「都市近郊林ゾーン」を設置し、人とヒグマのすみ分けを進める。
このうち、森林ゾーン以外の三つの地域でヒグマを寄せ付けない対策を進めるために有効とされているのがドローンや人工知能(AI)をはじめとするICT技術。市は今後も、これらの技術をヒグマの侵入経路の監視や見回り・探索に活用し、一歩進んだヒグマ対策に役立てるとしている。