「動物が可哀想」じゃ済まない ヒグマvsドローン 深刻な鳥獣被害とその駆除方法とは

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鳥獣被害といえば、2023年最も話題になったのはクマだろう。そんなクマの調査にもドローンが活用されていることをご存じだろうか。

クマ調査に用いられたドローン

マトリス300RTK(画像:ヘリカム)
マトリス300RTK(画像:ヘリカム)

 2023年12月6日、ヒグマの目撃情報が相次ぐ「対策重点エリア」の札幌で、ドローンによる追跡調査が行われた。調査の目的は、ヒグマの行動を追跡し、市街地付近に生息する個体の有無を確認することと、人を恐れず市街地に出没する「アーバンベア(都会のクマ)」への対策を練ることだった。

 調査中の映像を確認すると、調査に使用した産業用ドローンはDJI社(中国)の「マトリス300RTK」のようだ。筆者(もりあやこ、調査測量系ライター)は同シリーズのマトリス600を扱ったことがあり、DJIの大型ドローンのカスタマイズのしやすさ、操作性のよさに感心した。特にマトリス300RTKは、動作環境温度がマイナス20~50℃と他のドローンに比べて比較的高低差があり、北海道のような過酷な環境でも故障しにくいというメリットがある。

 また、このドローンには数種類の対応カメラが用意されている。レーザー測量が可能なものもあれば、フルフレームセンサーによる空中写真測量が可能なものもある。野生動物の調査の場合、夜間撮影モードや赤外線カメラを使うことで、森に潜む生き物を見つけやすくなる。

 札幌の調査の場合、操作しながらリアルタイムで映像を確認して調査を行った。木陰に動く物体を発見すると、その方向にカメラを向け、動物の種類を特定した。その結果、ヒグマは発見されなかったが、シカは森林地帯で発見され、野生動物の調査にドローンが有効であることが実証されたようだ。

 ドローン調査の特徴のひとつは、調査時の安全性が高まり、人が立ち入れない場所や時間帯でも調査ができることだ。また、これまで人海戦術で行っていたフィールド調査を、短時間で効率的に行える。こうしたことから、農林水産省では、被害防止計画の立案や精度の高い鳥獣分布図の作成に役立つツールとして、ドローン調査も推進している。

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