ドイツ政府が「EV購入補助金」を突然打ち切ったワケ 財源確保の意外な落とし穴とは
ドイツ政府が突如、新型EV購入補助金の打ち切りを発表し、国内で反発と波紋が広がった。この騒動の背景には何があるのか。
違憲に至った理由

そもそも、なぜ憲法裁判所は違憲という結論に至ったのか。詳細を確認すると、次のような因果関係があることがわかった。
・2020年度予算では、新型コロナウイルスへのパンデミック(世界的大流行)対策で約2000億ユーロ(約32兆円)の財源が確保され国債発行権を得たが、そのうち約600億ユーロ(約9兆6000億円)が使われなかった。
・この約600億ユーロは、シュルツ政権によってパンデミック対策とは全く関係のない特別予算「気候保護・エネルギー転換基金(KTF)」として流用され、EV購入補助金などに拠出された。
・憲法裁判所は、この一連の措置を憲法違反と断じた(2023年11月15日)。
違憲の判断から1か月余りでの突然のEV補助金停止。憲法裁判所の判決によって財源確保の道が断たれた時点で停止していれば、大きな混乱は生じなかっただろう。
違憲判決後の1か月間、舞台裏で何が起きていたかは知る由もないが、ドイツで起きた一連の出来事は、EV普及のために政府が行っているEV購入・インフラ拡充への補助金の財源を把握することが極めて重要であることを再認識させた。