「SUVの宣伝は全面的に止めるべき」 トヨタの広告を禁止した英国規制団体を動かした非営利組織の正体

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11月22日、英国の広告基準協議会は、トヨタ自動車が公開したピックアップトラック「ハイラックス」のフェイスブック投稿動画と広告ポスターを禁止すると発表し、各メディアが一斉に報じた。

広告禁止再び

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 2023年11月22日、英国の広告規制・監視団体である広告基準協議会(ASA)は、2020年にトヨタ自動車が公開したピックアップトラック「ハイラックス」のフェイスブック投稿動画と広告ポスターを禁止すると発表し、各メディアが一斉に報じた。

 禁止理由には、多数の車両(ハイラックス)が川を横切るシーンなどが、

 ・オフロードで生態系を運転することが環境に与える影響を考慮していない
 ・社会に対する責任感を持って準備していない

などとしている。ASAが公表したプレスリリースによると、今回の広告禁止に対して英国トヨタは、

・同映像は、事前に許可を得たスロベニアの私有地で撮影したもので英国内ではない
・英国の消費者に対して無責任な運転を奨励したり、環境破壊を引き起こしたりするものであるなどとは理解されない
・ポスターにはCGを使用しており、自然環境にはダメージを与えていない

などと主張したとされる。ASAは2022年に、トヨタのスポーツカーブランド「GR」の3台の車が接近して走行する広告を、危険で無責任な運転を助長するとして禁止したことがある。

 本稿では、ASAによる広告禁止の公平性と正当性を検証する。

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