ダイハツは3車種「型式指定」取り消しで、今後どうなってしまうのか? 大手自動車会社の元エンジニアが考える

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ダイハツ不正問題で3車種の認証取消について、大手自動車会社でエンジンの企画・設計・開発に長年携わってきた筆者が掘り下げていく。

ダイハツ・トヨタの今後

経費削減のため2011年から法規認証室の人員と衝突試験用の人員が減らされた。その一方で、2015年以降はトヨタからの依頼業務量が増えた。法規認証室の人員は増員されたが、2011年以前のレベルには戻っていない。また、衝突試験用の人員は減らされたままだ(画像:第三者委員会)
経費削減のため2011年から法規認証室の人員と衝突試験用の人員が減らされた。その一方で、2015年以降はトヨタからの依頼業務量が増えた。法規認証室の人員は増員されたが、2011年以前のレベルには戻っていない。また、衝突試験用の人員は減らされたままだ(画像:第三者委員会)

 ダイハツは、

「認証申請業務の見直しにとどまらず、コンプライアンス意識を第一とした企業風土への抜本的な改革を行い、信頼回復に全社を挙げて取り組む」

とのコメントを発表した。また、トヨタの佐藤恒治社長は、ダイハツに

「身の丈以上の負担がかかっていた」

とし、今後1か月後をめどに「ダイハツの事業を整理する」とともに、「ダイハツの開発現場にトヨタの技術者を送り込む」考えも示した。

 インドを中心に成長する新興国自動車市場で需要の高い低価格小型車に関するダイハツの開発力と人材・設備は、脱炭素技術開発を全方位で進めるトヨタにとって手放すには惜しい。トヨタが「ダイハツの再生を全面的に支援」するのは当然といえる。

 今回の事件は、ダイハツにとっては「不適切な社内風土を抜本的に改革する」機会であり、トヨタにとっては、同社よりも歴史が長く「自己流を修正できないダイハツを再教育する」機会でもある。

 消費者を不安にさせ、信頼を損ねたとはいえ、大きな迷惑をかけることはなさそうだ。前向きに考えれば、ダイハツとトヨタは「危機を好機にするきっかけ」をつかんだ。そして、両社の使命は「経済的損失を被ったサプライチェーン各社」への支援徹底であることを忘れてはならない。

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