運送会社に忍び寄る危機 話題の「フィジカル・インターネット」は、単に業界の“アマゾン化”を推し進めるだけではないのか?
新物流ネットワーク「フィジカル・インターネット」は冷静になって考えると、つまるところ「アマゾンの配送システムの普遍化」といえなくもない。いったいなぜか。
約36%の荷物が運べなくなる衝撃

PIによる、物流の共通化やオープンアクセス化の背景には、近い将来まともに荷物が運べなくなるという危機感がある。
日本ロジスティクスシステム協会(東京都港区)の資料によると、
・2025年:約27%
・2030年:約36%
の荷物が運べなくなるという。荷物が運べなくなると、事業活動だけでなく、日用品や食料品が不足するなど日々の生活にも影響を及ぼしてくる。
そして、もう既にその予兆があるのが地方だ。
鉄道やバス、タクシーといった交通インフラにおいて、特に地方では利用者が少なくなり危機的状況にあるが、人ではなくモノを運ぶ物流インフラも状況は同じなのだ。今のままでは、地方ではバスやタクシードライバーがいなくなるように、トラックドライバーもいなくなるだけでなく、物流が事業として成り立たなくなる。
また、2018年に40%以下となったといわれている積載効率(トラックの許容積載量に対する、実際に積載された貨物の割合)の低さも問題となっている。個々の物流事業者が個々の荷主に対応している現行の物流方法では、積載効率を上げるにしても限界があるのは明らかである。
このため、PIを活用した共同運行、積載率向上による、貴重な物流資源の効率的な運用が今まさに求められているのだ。