活況の物流不動産ビジネス、マーケットはどう成長してきたのか?【短期連載】素人に倉庫ビジネスは可能か(1)
倉庫需要が衰えない理由
物流不動産ビジネスが活況を呈し、倉庫需要が衰えない理由はいくつかある。一つは、ECビジネスの活況である。
ECビジネスは、コロナ禍で勢いを失うどころか、むしろ巣ごもり需要によって勢いを増している。ECビジネスのマーケットは、2020年に20兆円に到達し、2026年には29.4兆円のマーケットに拡大すると予測されている。
「ECと言ったって、例えば小売店に出荷する倉庫と、同じところから出荷しているんじゃないの?」──もちろん、そういうメーカーや商社もある。だが、本気でECに取り組むのであれば、小売店に出荷する倉庫と、EC用の倉庫は別に用意した方が効率が良い。
加えて言えば、現時点でAmazonの倉庫(フルフィルメントセンター、ECに特化した物流センターのこと)は、国内に27か所存在する。楽天も含めたECプラットフォーマーらが、EC用の倉庫を拡大し続けていることも、倉庫需要を押し上げる一因となっている。
もう一つは、サプライチェーンの効率化を実現するための倉庫需要である。
例えば、北海道で製造した製品をいったん、首都圏の倉庫に入れてから、仙台に出荷する──こういった、不効率なサプライチェーンを組んでいるメーカー・商社はまだ存在する。
効率化の観点から言えば、古い倉庫から新しい倉庫に移転することで、倉庫内作業や入庫・出庫作業の効率化を図ろうとするニーズもある。例えば、同じ3000坪の倉庫であれば、“1000坪3フロア”の倉庫よりも、“3000坪ワンフロア”でランプウェイを備えた倉庫のほうが、一般論として作業の効率化を実現できる。ランプウェイとは、トラックが倉庫の階上まで直接乗り入れることを可能とする走路のことだ。
エレベーターや昇降機を用いて貨物を垂直移動させるよりも、ワンフロアの倉庫で横移動させたほうが作業効率は高くなるし、倉庫内のデッドスペースを減らし、保管効率を上げる効果もある。
また最近では、ECビジネスのために大量のパート・アルバイトを雇用するため、冷暖房施設のない倉庫よりも、冷暖房・空調施設を備えた最新倉庫を選択するケースもある。