交通ルールをきちんと守っている子どもを「交通事故」から守るにはどうしたらいいのか?

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子どもの交通事故が後を絶たない。特に、ルールを守っているにもかかわらず子どもが死傷する事故については、ニュースなどで報道されるたびに自動運転システムの導入を求める声がSNSなどで上がっている。

自力下校への意識向上

通学路(画像:写真AC)
通学路(画像:写真AC)

 登下校時におとなしく歩ける小学1年生~低学年の児童は少ない。友だちとふざけ合うだけでなく、急に走りだしたり、縁石の上を歩くなど、事故が起きやすい歩き方をしていることがよくある。

 そのような軽はずみな行動を防ぐためにも、日頃から家庭で安全な歩き方を根気よく教えておくことが大切だ。多くの就学を控えた幼児にとって、小学校入学は「人生で初めて一人で歩く」という子も多い。警察庁の「子ども等の交通事故について」によると、小学生の歩行中の死傷者数は、月別では4月から7月、10月、11月が多く、1年生では5月が最も多い(2012年から2016年のデータ)。

 4月は登下校時に教員や地域住民が見守ることが多いが、5月になると減少することから、大人の目が届かないところで事故が発生していることがうかがえる。入学前の準備として、入学前に自宅から学校までの通学路を歩く練習をし、危険な場所がないか親子で確認するのもひとつの方法である。

 歩く際には、次のことを確認することをお勧めする。

・横断歩道の数と待機スペースの有無
・車道と歩道の幅
・通学路をガードする防護柵の存在
・車から見えにくいコーナーの有無
・車の往来が激しい場所やスピードが出やすい場所

 通学路は時間帯によって状況が変わるので、できれば登下校と同じ時間帯、平日に歩くのが望ましい。また、車のスピードや交通量を体験しておくことも大切である。そして、晴れの日だけでなく、雨の日などさまざまな天候の下で何度も登下校の練習をし、入学に備えることが望ましい。

 ランドセルを背負い、傘を差し、体操服や上履きケースを持って歩くと、周囲の変化に気づきにくい。そのような状況で安全に歩く能力は、短期間で身につくものではない。

 入学当初は教師がサポートするが、学校生活に慣れれば完全に自力で下校することが求められる。安全な自動運転の普及を待つのではなく、交通ルールを守って安全に帰宅できるよう、子どもたちの意識を高めることも必要だ。

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